弊社は機械加工屋さんなので、ほとんどの場合は材料買って、加工して、検査して、納品する、というシンプルな工程しかありません。
以下の写真のように、どんなオーダーがあるかを納期の順番に掲示してあって、上から順番に処理していってねーという指示だけでも充分に上手く流れていました。
たまに溶接や表面処理、熱処理、外注加工などもありますが、少ないので記憶で管理できていました。
過去にも何回かコントロールボードが上手くいってると説明している記事があります。
http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/443798112.html
ところが、コイツには弱点があるのです。
まず、ボリューム管理ができないこと。
簡単にできちゃう3,000円の仕事と、2週間くらいかかっちゃう5,000,000円の仕事がパッと見で区別がつきません。
現在のコントロールボードは緊急度と納期だけを重点的に管理する仕組みのため、どれほどのボリュームが社内にあるのか良く分からないので、「この仕事いついつまでに出来ますか?」とお客さまから聞かれても、「たぶん?」と応えざるをえません。
そして受注したあと、次から次へと特急仕事やボリュームの大きい仕事が舞い込んできてなかなか手がつけられず「納期に余裕があったはずなのに間に合わない!」となってしまいます。
お客さまには「なんで間に合わなくなっちゃうんですか!いい加減にしてください!」と怒られはするものの、たちの悪いことに他のところでは技術的に無理だったり、超絶価格が高かったりするので、どうしてもウチに出したいんだそうです。
次の弱点は、溶接や熱処理、表面処理などの工程が多いものは順番がワケワカランくなることです。
溶接をやっておかないと加工に入れないものなんかは納期が長く取ってあります。
まだ先だよね〜と油断していると溶接をやらないまま納期が近づいてきて、慌ててやることになります。(少ないうちはなんとかなってた)
ということで仕事が多すぎるのと、多工程におよぶ仕事が増えてきたため、弊社独自のシステム「コントロールボード」を拡張して生産管理/工程管理をIT化することにしました。
最初はプロジェクト管理で長年慣れ親しんだMS-Projectでやろうと思ったのですが、工程管理に使うにはとても見づらく、早々に諦めました。(昔もやろうとしたことがあって、そのときも諦めた)
結局これになりました。
工程は簡単に並べるだけで、Projectのように先行タスクとかそういう設定はしません。
リンク設定は一応できますが、クリティカルパスの計算はできません。
設備の負荷が100%を超えないように工程を設備に割り付けていく感じです。
Projectに比べれば機能はかなり劣りますが、たくさんの顧客の色んなプロジェクトを同時展開で管理できるという面から評価すると優秀です。
「この仕事できます?」と問い合わせが来たら、「この仕事とバッティングしてるから納期ムリだわ」とすぐに検討できるようになりました。
設備リソースをどれくらい使って負荷がどれくらいになるのかというボリューム管理がちゃんと出来るので、「いつごろに5軸の仕事をぶっこむので、空けといてください」という予約もちゃんと取れるようになりました。
この工程管理ソフトに合わせて、生産管理とか原価管理システムも導入していこうと思います。
本当はERPが良かったんですけどね。
http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/442324657.html
http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/417594091.html
昔からめっちゃ欲しがってるERP。
なんとか自分で統合していきます。