けっこうたくさん削るので材料がもったいない気がしますが、バー材がいちばん安く調達できるので仕方ない感じです。
A286は鉄ベースで15%ほどのCr、25%ほどのNi、1%のMo、1.9%のTiの合金で、いわゆる耐熱鋼です。
かなり古い時代からある材料で、いまはIncoloy909やThermoSpanなどのもっと高温強度が高く、線膨張係数の小さい材料にとってかわられてるので、あまり使われていないようです。
私も新しい方は頻繁に加工していましたが、この材料を加工するのは初めてです。
機械的性質は引張り強度が室温で1000Mpaです。
引張り強度の序列は以下のような感じです。
Inco718 1400Mpa
A286 1000Mpa
6Al-4V-Ti 820Mpa
SUS310 627Mpa
強度はぼちぼち高いみたいです。
↓(参考:特殊鋼の特性表)
http://www.coguchi.com/data_s/tokusyu/tokusyu1/
硬度はデータが見つかりませんが、削ってみた感じではHRC45程度でしょうか。
鉄ベースの析出硬化材だから硬いと思います。
でも幸いに、刃先温度はさほど上がらないようなのでアグレッシブ条件で加工しても工具寿命はかなり長いです。
切込みを工具設計上のMax値6mmでやってますが、大きいチップを使えばまだまだいけそう。
計算してみたら40cc/minの切粉排出量でした。
明日はチップ材種をちょっと硬めに変えて条件を上げてみようともくろんでます。