先日行われたH-IIA 29号機の打ち上げ、前回のMRJ初フライトに引き続き、情報技師からのサジェストによりライブで見ることになりました。
さすがインフォメーション担当。
謎の船舶侵入でちょっとだけ発射が遅れたものの、無事に打ち上がって良かったです。
わたしがMHI社内にいたときは航空機エンジン担当だったので航空機のイベントは多少興味がありましたが、ロケットの方はあんまり関心がありませんでした。
なんか社内でもあんまりアナウンスが無かったんですよね。
ライブ放送の視聴者数、MRJの初フライトは100万人くらいがUstreamで見ていたのに対して、今回のロケット打ち上げはyoutubeで4万人なので世間も似たような。。。下町ロケット効果が出てませんね。
まあ29号機だしね!
今回の打ち上げは恒例の「りふとーふ」がちょっと遅かったですね。
4基のSRBで加速が早すぎたのかなw
打ち上げの合間に今回のロケットの特徴の説明をしていましたが、けっこう初めて知ったことがあって勉強になりました。
日本は北緯30度くらいの種子島からロケット打ち上げしていますが、これが商業的に不利なんだそうです。
もちろん赤道付近で打ち上げたほうが有利だというのは知っていますが、遠心力の違いで燃料いっぱい食うからだと思っていました。(たしかそういう説明を受けた覚えがある)
静止軌道(赤道上)に対して緯度が大きい射場から打上げられると、トランスファー軌道に打上げられた人工衛星が自力で軌道の角度修正をしてドリフト軌道を進んでいくため燃料いっぱい食うので、姿勢制御に使える燃料が少なくなって衛星の寿命が短くなるそうです。
人工衛星のユーザーとしてはバカ高い衛星はなるべく長く使いたいので、静止軌道上での残存燃料を多く持っていたいのです。
したがって人工衛星ユーザーは軌道の角度修正に燃料を消費しなくて済む赤道近辺の射場での打ち上げを希望するのだそうです。
ロケット側の都合じゃなくて衛星側の都合だったんですね。
この問題点に対して、H-IIAの2段目ロケットエンジンであるLE-5Bが頑張って宇宙空間で再着火しまくってドリフト軌道も運んでくれるので、人工衛星が角度修正で燃料を使うことなくロケットエンジンがそれを負担してくれるので、緯度が高い種子島から打上げられた人工衛星でも寿命が長いんだぜ!という衛星にやさしい打上げ方法になったんだそうです。
再々着火とか、スゴいことなんですよ。
アリアン打上げ場の北緯5度ギアナ宇宙センターとか場所が良いのでもともと衛星にはやさしく、ロケットも近々アリアン6にアップデートされるのでなかなか手ごわい相手だと思いますが、北緯28度ケープカナベラルや、プロトンを打ち上げる北緯45度バイコヌールとは良い勝負になるのではないかと期待。
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=zRA2tj0acku0.kZe-G8FcMLmE&hl=en_JP
最近ニッポン来てますね〜。
あ、H-IIA打ち上げ費用を安くするために、もっと下町の工場を活用したほうが良いですよ。
バルブとかねw