もうすでに復旧しましたが、5軸DMU80Tが故障していました。
プラスチック金型を加工していて高回転で主軸を回したあとに手動運転でY軸を動かしたら、
機械の後ろから「バシュッバシュッバシュッ」とどう考えてもイケない音がして大量のエラー表示が出ました。
無理にX軸などを動かそうとすると、ドーンと大きく暴れて非常停止するのでリニアガイドを痛めそうで怖い。
電気回路がショートしたような音だったので、機械後ろのNC装置が入っている箱を開けると、とても焦げ臭い。。。
自己復旧はどう考えても無理そうなので森精機のサービスに電話しました。
森精機サービスは年中無休で24時間対応なので、大変心強いです。
その日のうちに森精機サービスマンが来てくれて診断してもらったところ、電源ユニット、主軸冷却ユニットがショートして壊れていて、Y軸サーボアンプが怪しいが電源がサーボアンプに回らないので壊れているか判断できないとのことでした。
いずれにしても壊れている部品は交換が必要なので見積もりを取りましたが、ハイデンハインの基盤部品は
やたらと高かったです。
壊れているか当時は不明だったY軸サーボアンプも入れると総額300万円くらい。
とくに操作をミスしたわけでも無いはずなのに、すごい金額の飛びよう。。。
うちの機械はリース物件で動産保険に入っているので、保険でまかなえるらしいです。
アブナイところでした。
故障の原因は、アースの接地ミスでした。
地中に杭を打ち込んで接地するC種でアースをしないといけなかったらしいのですが、
工場の柱でアースをとるB種でやっていたため、余剰電力を逃し切れずに電源ユニットを焼損し、
さらにY軸サーボアンプ、主軸冷却ユニットにも余剰電力が流れてそれぞれの回路を焼いたようです。
日本にDMGの機械が入り始めのころは非常に多くこのトラブルがあったそうです。
日本の機械は工場の柱でアースを取るのが通常で、地中に単独でアースを打つ機械はちゃんと設置マニュアルに書いてあるそうですが、ドイツのDMGの機械は特にマニュアルに断りがないけど地中に単独でアースを取らないといけないんだとか。
日本人の感覚としては特に断りがないため柱でアースをとってしまい、このトラブルが続出したそうです。
うちはその経験を活かせませんでした。。。
別件で、29年選手のオークマMC-5VAも壊れました。
ある朝になんの前触れもなく主軸アンプが壊れて主軸が回らなくなりました。
この部品は以前から「この部品が壊れたら、オークマ社内にも交換部品の在庫がないから修理できなくなる」とオークマのサービスマンに言われていた部品です。
安川電機の Varispeed 626MTU B seriesという部品。
とても古い部品なので安川電機もサポートを終了しており、メーカー修理ができません。
オークマサービスに電話をしてみると、かろうじてリビルト品(どこかで壊れた部品を引き上げてきて故障箇所を修理して再生したもの)が1個だけあるとのこと。
どこかほかに故障した会社にその在庫を持って行かれるとウチの機械が修理できなくなるため、慌ててその在庫をおさえてサービスマンに修理に来てもらいましたが、なんとそのリビルト品もうちとは違う症状で故障していました。
オークマサービスが言うには、この基盤のうちのほんのちょっとの部品(リレーとかコンデンサとかがいいところ1個や2個)が壊れているだけだと思うが、オークマの製品では無いのでどこが悪いのか判定できず修理できないとのこと。
メーカーサポートも終了しているので、オークマがおすすめするのは安川電機の最新の代替品に取り替えることです、だって。
最新の代替品とやらの見積もりを取ると、部品代が124万円、取り替え作業費が21万円の合計145万円。
お〜。。。。
わずか1週間のあいだに445万円の修理費とは。
5軸の方は保険があるとして、オークマのほうは保険に入っておらず、あと劣化故障なので保険に入っていたと
しても適用外です。
29年選手にいまから145万円の修理費というのもなかなか。。。
ましてやリレーやコンデンサの1個や2個を交換すれば使えるであろう基盤を捨てて、145万円の新品を選択する気にもなれません。
海外にうちの壊れた基盤と同機種が40万円であることは確認しましたが、もし使えなかったらなにかと大変そうなのでちょっと手が出ません。
ということで、うちのお客さまにどうしようかと相談していたら日本国内で基盤修理できるところが
あるよ、と教えてくれました。
http://loveox.co.jp/repair/
ひとまず治せるかどうか分かりませんが、基盤を外して送りつけておきました。
果たして治るのか、いくらでどれくらいの期間で治るのか、期待して待っています。
これで治るようなら、メーカーサポート終了とかはもうあまり気にしなくて良くなりますね。