http://www.godo.co.jp/product/lathe/nsk_prolathe.html
実は弊社は今まで、あまり旋盤仕事の受注には力を入れていませんでした。
主な理由は以下です。
・旋盤の賃加工は儲からないことが多い。単品加工でも価格が低く、数物は激安。
・マシニングのほうが忙しく、人手が足りない
・NC旋盤のCNCのメモリ容量が少なく、プログラムがたくさん保存できない。
・プログラムを新しく作ると、古いやつは消していくことになるのでお久しぶりのリピートが来たときはプログラムを再作成。
・リピートにもかかわらず美味しさがまったく無くて、新鮮な気持ちで取り組まなければならない。
という。
1個目の理由以外は内部要因ですね。
今までは内部要因に対応するのが面倒すぎたため、外部要因のせいにして
「受注しない!」
というなかなか極端な対策(?)を採っていました。
しかしTOC的には
「大きな投資をしないで手元にあるすべての生産能力を販売する」
のが正しいソリューションです。
ほとんど使わないのに工場の片隅でけっこうな面積を食っているオークマ LB-15 NC旋盤。
有効に使えるようになったら、喜んでくれるお客さまも多少います。
ここ最近、優秀な新人を採用して自分に余裕ができたことと、
外部要因である価格が少し良くなってきたこともあって、内部要因に対策をしても良いかなという気分に。
弊社の1988年式 オークマ LB-15の場合、プログラムはIGFというCAMっぽい対話システムで作り、
そこから普通のASCIIコードのメインプログラムを生成します。
IGFで作った設定ファイルは拡張子 *.igf でバイナリファイルです。メモリ消費容量 大。
生成されたメインプログラムは拡張子 *.min でASCIIファイルです。メモリ消費容量 小。
RS232CケーブルでPCとNC旋盤を接続すると、ASCIIファイルは送受信できるのですがバイナリファイルは
送受信できないみたいです。(そういう通信プログラムを自分で作れば出来るかも。。。)
ASCIIファイルのメインプログラムはPCと受け渡しできるようになっているので容量無限と考えることができますが、
グラフィカルにプログラムを確認、編集ができて便利なIGFファイルはPCと受け渡しできず、
メモリ消費が大きいこともあってどんどん消さざるをえない状況でした。
Gコードだけのメインプログラムを見ても、いまいち何をやってるかピンと来ないのが難点。
多品種少量生産ではコードの再利用はできないに等しいです。
ふう、やっぱり旋盤仕事は受注したくないかも。。。
メモリ容量が問題なのでメモリを増量すればとも思いますが、1988年式のNC旋盤にはたぶん部品がありません。
そして、製品が増えていくとまたメモリの壁にぶつかります。
というわけで、CAM。
外部のPCでグラフィカルにプログラミングして、成果物のASCIIファイルのメインプログラムだけをNC旋盤に送り込みます。
PCはもちろん、メモリ容量無制限と考えることができます。
よく考えたら1984年式のマシニング MC-5VAでもCAMが使えるようになって大成功してたのでした。
http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/187624230.html
これと同じ事をNC旋盤でもやればエエじゃないかという。
古いNC旋盤ですがハードウェアは非常にしっかりした造りで剛性があり、加工能率は悪くないです。
弱点はCNCの古さとメモリ容量。
そこを最新のCAMで補えば、素敵な加工が思いのままです。
投資額も20万円ちょっとと、普通のCAMの感覚から言ったら激安。
かなり使い方が簡単なようなので、ひとまず新人さんに勉強してもらい、
社員さん全員にも順番にトレーニングしてもらおうと思っています。
楽しみです。