http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/212614323.html
事業部というのはまあ冗談なんですが、いちおう大盛況を博しております。
平面度バブルです。
板厚が18oを下回ると旋盤の4本ヅメチャックで素直につかめなくなって平面度が悪化するので、板厚18oを下回るものは面倒だからイヤだと頻繁に断っていたのですが、なんか板厚10o近辺のものが増えてきてさすがに断り切れなくなってきました。
ツメ高さが10o近辺のものを作ろうかと思いましたが、そもそもワーク剛性がなくて平面度が出ないので、これはヤメ。
仕方がないので、いわゆる真空吸着治具を設計製作してみました。
旋盤用で、φ400まで対応可能にしておきました。
この治具を初投入する仕事では製品の真ん中に穴があるので、それに横滑り防止用でひっかけるオヘソを付けておきました。
真空吸着治具は面方向の保持力は大きいものの、横滑りの力には弱いので必ずピンなどでストッパーを付けるようにと説明書にあります。
小さいチャンバー9個の設計にしています。
ピタQ( http://www.nepo.gr.jp/nji/shouhin_f/35_f/35_HVT1520_1.html )で真空引きします。
写真のチタン材はちゃんとくっつくか1個のチャンバーでためしにやってみただけで、本番では大きな円盤1枚を9個のチャンバーで真空引きします。
よく見かける真空吸着治具は大きなチャンバーが1個のものが多いですが、もともと平面度の悪い素材をそれで吸着すると負圧でペコっとひずみ、それを削ってアンチャックするとまたペコっともとにもどって削ったところが凸になったりすると思います。
やったことないけど、たぶんそう。
第1面目の荒加工では3か所のチャンバーで固定して加工して、あとの工程は9か所使って固定というふうに考えています。
もう一つチャンバーを小さくした理由があります。
それは大きなOリングは、とっても高いからです。
昔φ420のシリコンOリングを買ったら2万5千円/本くらいして鼻血出るかと思いました。
しかもOリングなんて何百円レベルだと思ってたので4本も買っちゃった。
写真の治具はφ80が360円/本で6個、φ60が260円/本で3個なので、だいぶ安いです。
ネオプレンスポンジの丸ひもとかもたまに使ったりしますが、ちょっとでもリークがある状態で振動させるとバシュッとチャッキングが外れるので、シャットオフバルブで真空保持するタイプの場合は怖いです。
旋盤では怖くて使いたくありません。
円月輪が飛んできます。または気円斬。
でもちゃんと平面度出るかってのが心配。。。
いちばん良いのは治具とワークのスキマに個体を充填してくれる冷凍チャッキングのような気がしますが、薄物だとすぐに温まってチャックが外れてしまう気がします。
まあ、とにかくやってみよう。
治具作っちゃったんだし。