↓6月の中ごろにヒマだからってちょっと手をつけて、その後いそがしくなってしまったので今までほったらかしでしたが。
A286材のテストクーポンを再開しました。
http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/100979352.htmlいい加減お客さまがシビレを切らしてきたようなので怒りが爆発する前に終わらせるべく土日もせっせと加工しました。
こんなんを50個です。
さすがに難削材なので、時間がかかります。
ところで、この製品にはφ9の穴が4つあるのですが、OSGがNEXUSドリル(難削材向けに出したハイスドリル)を在庫処分するとのことで試してみることになりました。
ウワサではハイスドリルのクセにInco718でもイケるとのふれこみです。
ドリル保持はミリングチャックで肩の振れ精度を0.003mmに抑えてあります。
加工条件はカタログ値の最低値からさらに30%OFFでやってくださいねとのことで、内心は(難削材の加工条件になってねぇ!)と思いつつ初回はベンチマークのために従いました。
写真のテストピースに書いてある条件です。
20mmの板厚をステップ無しでやりました。
1穴目=>ギュイーン、ズバンっ ちょっと肩がダレてる
2穴目=>ギュイー、ゴゴッ シンニングが死んだ
3穴目=>ゴキャキャキャ、バツンッ ドリルが折れた。心も折れた。
で、メーカーの人が勇んでオモシロイ加工条件を推奨するのはわかるけど、仕事にならないので、わたしの難削材向け加工条件で続行しました。
V=6m/min、F=0.05mm/rev、ステップ1mmごとに0.3mm上げ、です。
速度は陣笠(穴の抜け側にできる笠)の色をみて、焼け色がない条件で。
送りは逃げ面摩耗が許容範囲になる最大送り速度。
ステップはシンニングに切削液を廻りこませて冷却するために使う。工具が超硬であれば加工硬化を防止するほうが優先されるので、ステップ無しのほうがいい。
メーカーの技術営業はこういうひとつひとつに説明がつけられず、「条件が遅い、もっと送りを上げたほうが」と主観的に教えてくれますが、「逃げ面摩耗の進展加速度が大きくなるよ〜」って言い返すと黙ってしまいます。もうすこし研究をつんでがんばって欲しいです。
結局、60穴をあけたところでスクイ面摩耗の進展加速度が大きくなってきたので「たかだか2,500円のドリルで60穴もあけたから充分」ということでメーカーに顕微鏡撮影してもらうためにドリルを渡しました。
NEXUSドリルのカタログの次回改訂の時にうちの公表データをのっけたいとのことで、いちおう承諾しておきました。
テストが終わった後、まだあと140穴ぶん残っていたのでいつも使っているドイツ製の超硬ドリルに変更し、3倍のスピードでスイスイ加工しました。
ハイスドリルで穴があけられること自体はすごいんだけど、モタモタ加工するのはイヤなので、わたしは3倍のお金をだしてでも超硬ドリルを買って使う派です。
posted by yoshiaki at 00:04
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