このブログはあまりにも技術情報がなさ過ぎておもしろくない、との影のクレームにお応えして、たまには技術情報を書いたりもします。
相変わらずお客様の都合で写真が載せられませぬが。
6Al-4V Tiの150角くらい、板厚9mmくらいのプレートにポケット3箇所掘り込んでφ18+/-0.1の穴、M8タップ2箇所、肩削り加工を2箇所くらい削るという、けっこう工程数の多い製品です。
前回は40枚を初めて受注して、今回はリピートで60枚でした。
年間通してかなりの量が出るみたいなので、工程改善に取り組みました。
工程の順番は初回プランニングで相当厳密に組みたてたので、考え直しても変更できそうなところがなく、加工条件アップと荒加工廃止でn臨むことにしました。
フェイスミルで14mm⇒9mmに板厚仕上げをする際、前回は荒加工で片側切込み2.3mm、仕上げで0.2mmととっていましたが、経験の語るところによるとチタン程度なら6mm切込みまで一発仕上げできるので、φ160のフェイスミルで2.5mm切込みを一発仕上げに変更しました。
フェイスミルの加工条件は5%あげるだけで工具寿命が大幅に下がってしまうので加工条件は変更せず。
軸方向の切込み量を増やすのがイチバンです。
ポケット掘り込みや穴なんかは加工時間の比率で見ると10%に満たないので改善の対象にせず。
M8の下穴ドリルが今のところ200穴近く穴をあけてるけど、まだ大丈夫。
肩削り加工、板の両端面に5mmの段差をつけるという加工が結構時間がかかっていたのでコレも改善対象にしました。
65mm高さの口金のバイスにはさんで加工していたので、製品の突き出しは85mmありました。
鉄だとこの突き出し高さで加工することはありえないのですが、チタンのヤング率だとこれでも加工できてしまうので前回はそのまま加工してました。
で、今回は当然背板を当てて強度を上げます。
加工条件は周速は変更せず、送りは加工音が落着くところまであげていったら2.5倍まで上がりました。
加工条件向上後でも面粗度が前回よりも良いので、これも荒加工を廃止して一発仕上げに。
今まではこの工程に10分/枚程度かかっていたのが3分/枚程度になってしまい、出来高が上がってうれしい反面、手仕上げが追いつかなくなって大変。
トータルで出来高は1.x倍になりました。(値段に影響が出るとイヤなので書けない

)
今回の改善は、しまだはただちょっとこうして欲しいな、とつぶやいただけで、YSKWさんががんばって実行してくれました。
YSKWさん、チタンが軽く加工できるって言うのは町工場ではあんまりないことだから自信もってね?
posted by yoshiaki at 23:20
| 🌁
|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
製作事例
|

|