2016年09月15日

未来構造ツリーが作れるようになりました ソーシャル問題解決システム『sekasuku(セカスク)』


ソーシャル問題解決システム『sekasuku(セカスク)』上で未来構造ツリー(FRT)が作れるようになりました。

http://press.sekasuku.com/2016/09/15/50


この未来構造ツリー(FRT)は、作ってるとウツになってくる現状問題構造ツリー(CRT)と違って、明るい未来を描くことができる、とても楽しいツールです。


FRT.bmp



対立解消図(CRD)で考えたインジェクション(解決策)を実行することで、本当に問題が解決できるのかな?と思った時や、思いついたアイディアを実行すると、どうなっていくかを検討するツールです。

現状問題構造ツリー(CRT)では望ましくない結果(UDE)をつなげてツリーにしていましたが、未来構造ツリー(FRT)では望ましい結果(DE)をつなげてツリーを作ります。

DEは素敵で楽しいことばかりなので、それが連鎖していくツリーを作っていると楽しくなってくるのです!!



考えたインジェクション(解決策)で問題をぜんぶ解決できるのか、インジェクションを実行することで新たな問題(UDE)が出てきたらどういうインジェクションを対策として当てるのか、事前に検討することができます。


悪循環の反対の”良循環”をツリーに設計することで、良い結果がますます良い結果を生んで行くように洗練することができます。

洗練されたインジェクションを実行することで、どんな良い未来になっていくのかを関係者にプレゼンして、仲間を増やしていきましょう。



では、引き続きsekasukuをよろしくお願いいたします。

posted by yoshiaki at 15:17 | 愛知 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | sekasuku

2016年09月14日

sekasukuの対立解消図が読みやすくなりました


webでTOC思考プロセスが使えるソーシャル問題解決システム『sekasuku(セカスク)』上で対立解消図(CRD)の「インジェクション」を読みやすくなるように、仕様変更しました。


http://press.sekasuku.com/2016/09/14/32


旧インジェクションはTOC思考プロセスの教科書などに載っているものを模したもので、BとD、もしくはCとD’の間の矢印線に置ける仕様となっていました。

crd_old.bmp




しかしインジェクションは、このインジェクションを対立するDとD’の代わりに実行することでBとCの要求を両立させてDとD’の対立を解消するものなので、BとCどちらにも矢印線をつなげて対立を表すイナズマ線の上に置いて対立が消せる仕様とし、表現力を高めました。

crd_new.bmp


一部の思考プロセスに慣れた方が、このような対立解消図を作っているのを見かけたため、良い表現方法だと思って採用しました。



最近わたしの嫁がsekasukuの対立解消図を使って、人生の岐路となる対立を画期的なアイディアで解決していました。

IMG_9695.JPG


これほど三方良しの解決方法をサクッと考え出せるのは、やはりツールが良いから(ニヤリ)

まだツリーを印刷できる機能が無いため、他の人に説明する時に紙にすべて手書きで写していたのは夫婦間のヒミツです。

相手が通常の人の場合はツリーのURLをメールなどで送れば見れるのですが、相手がスマホしか持っていない人だったり、ご老体だったりすると見れないんですよね。

やはり紙に印刷って大事ですね。


引き続きsekasukuをよろしくお願いいたします。


posted by yoshiaki at 11:17 | 愛知 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | sekasuku

2016年09月12日

TOC思考プロセスとの出会い編 (5) みんなで頑張る


前回までの記事はこちら。

・TOC思考プロセスとの出会い編 (1) http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/441682406.html
・TOC思考プロセスとの出会い編 (2) http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/441684191.html
・TOC思考プロセスとの出会い編 (3) http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/441701746.html
・TOC思考プロセスとの出会い編 (4) http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/441704445.html


前回は、以下のステップの3まででした。


TOCによる全体最適は5つのステップで進める。

1.ボトルネックを「見つける」
2.ボトルネックを「徹底活用する」
3.ボトルネック "に"「周りの動きを合わせる」
4.ボトルネックを「強化する」、もしくは「よそへ振る」
5:惰性に注意して、再度ボトルネックを「見つける」

ボトルネック概念図.png




次のステップの4.ボトルネックを「強化する」、もしくは「よそへ振る」も、生産技術とマネジメントが一緒にがんばって取り組む領域です。


実は、順番としては4番目なのに、早々にマネジメント層によって実施済みでした。

この生産量はピーク時には対応できない、かつエンジン2,000台分くらいで時限性がある生産量だから設備を買わずに外注に出そう、と判断されたようで、たくさん外注に出て行ってしまいました。


良かったのですが、ちょっと寂しかったです。

社内生産だったらすごく儲かったと思うんですけど、わたしはサラリーマンなので会社が儲かっても特にお給料が増えるわけでもないし、まあ外注さんも儲かって楽しいのではないかと思い諦めました。


外注さんは上手に生産出来るところもありましたが、ちょっと難しいところもあり、何度かヘルプのために出張に行きました。


ベルギーへの出張は楽しく、不良率を激減させる成果もあったので、良い出張でした。
ヨーロッパの重工業系の工場を見る機会なんて、なかなか有りませんので良い経験になりました。

リエージュという地域に行きましたが、けっこう何を食べても美味しいし、9日間の出張期間中に土日を挟んだので、1人で電車でブリュッセルに行って観光とかできましたし。
リエージュの場所。ちなみに犬の糞とかいっぱい落ちてて、ちょいクサ。
街ゆく人に英語は通じない。
あとゲイの人が肩組んでお散歩してるのをたくさん見かけました。
このへんは、そのうち文章化するかもしれません。


韓国への出張は、、、あまり行きたくなかったんですけど「納期管理の人や品質管理の人とかは来ないで欲しい、実際に技術を担当している人だけ来て欲しい」と向こうからご指名をいただいて、かなりイヤイヤで行きました。
役に立たない人は来るなと真正面から言うのが韓国スタイルなんですね、分かります。

超硬工具のサンプルを韓国の外注さんに持って行こうと思ってフジトランスの協力でパッキングしてもらいましたが、韓国の空港の税関でうっかり見つかってしまい、「これ何?」と聞かれて「えー、機械につける工具で」とか30分くらいあーだこーだして、結局3万円くらいの関税を払わされてしまいました。
自分のクレジットカードで。
出張旅費精算のときに書いておいたけど、返してもらえたのかな。謎。

向こうの工場についたらけっこう小さな町工場でやってました。
不良原因の調査が長引いて(インタビューすると、まず言いワケを聞いてから慰めないといけない)夜勤まで立ち会わされるし、夜食に超絶辛いカップラーメン出されるし、他のものも辛くてすっぱいものばかりでお腹を壊すし、なかなかでした。
韓国出張を通じて一番美味しかったものは、ホテルの近くのファミマで買ったサンドイッチでした。

こちらも不良率は出張後に激減したと記憶しています。意外と簡単なところでつまづいてました。
工具を持ち込んだのは大正解でした。
こっちもそのうち文章化したいです。他人が聞くと、面白い話みたいなので。


その他、国内もちょこちょこ行きましたが、さすがに国内の協力メーカーの皆さまは優秀で、こちらが勉強させてもらうことが多かったです。
淡路島、姫路あたりは何度かお邪魔して、楽しかった覚えがあります。
基本的は出張好き。他社の工場を見せてもらえると楽しいです。


さて、社内。

外注さんにいっぱいシェアを取られてしまったとしても、やはり社内も生産量が多いので、なんとかしないといけません。
また、外注さんにこうやって生産するんだよ、と言えるほどのベンチマークにならないと恥ずかしいです。


4.ボトルネックを「強化する」、もしくは「よそへ振る」

いままでわたしの担当部品のほとんどは「XX部品班」というところで生産していました。

しかし会社の工場の中を見渡すと「XXライン」、「XX班」、「XXショップ」などいろんなセクションに分かれてはいるものの、機械はなんとなくココらへんに縦旋盤、ココらへんに3軸マシニング、申し訳ていどにうっすらラインの最後あたりに5軸マシニングかな?、と機能別に置いてあります。

会社がデカいので設備はいっぱいあるんですが、セクションの壁に阻まれて能力がセグメント化されてる典型例ですね。


別に「XX部品班」での生産にこだわらずに「XXライン」に割り込んだって良いんでしょ?
だってほら、会社を挙げてやるプロジェクトでしょ?

という感じで、他のセクションの設備をどんどん侵食していきました。

これはけっこう簡単で、わたしが頑張らなくてもマネジメントの人から現場の人まで賛同者がとても多いので、必要に応じて他のセクションの設備を使わせてもらい、要らない時は返して、とやっていました。

変なところにボトルネックが移動しないようにやっておいた小細工としては、「精度の高い設備じゃないと加工できない」工法にしておいて、新しくてちょっと良い目の設備だけを流れるようにしておきました。

もちろんボトルネック強化のために古くて精度の悪い設備でも加工できるようにしてありましたが、優秀な国内の外注さんにシェアを取られすぎたせいと、通常生産がとてもラクなので1回もそのやり方が登場することは有りませんでした。


5:惰性に注意して、再度ボトルネックを「見つける」

当時の私は5つのステップを順番にはやっていませんでした。

TOCの初めての適用例だったので、毎日様子を見ながらあっちへプラプラこっちへプラプラして、ボトルネックは設定したとおりココにあるか、あれ、移動しちゃったか?と不安になりつつ確認していました。
たぶん1年間くらいはずっと現場でボトルネックの様子を見続けていたと思います。


なかなか大きなプロジェクトだった割には、さほどの混乱もなく順調に生産が行われ、現場からの信頼も篤くなりました。
「いまはシマダのプロジェクトが民航エンジンの利益の大半を稼ぎだしてて、みんなを食わせてるぞ」とエラい人からも言ってもらえるようになりました。
それでもお給料は増えないけど。



このプロジェクトが順調に手離れした以降も仕事のやり方はおおむねこのスタイルが良かったと感じたので、その後のプロジェクトにちょこちょこ適用していきました。

まずプロジェクトが始まるときは設計者の出鼻をくじき、試作開発はクリティカルパス法で全力で最短で立ち上げ、生産量が多くてDBR(ドラム バッファ ロープ)を使ったほうが良いものは工程の時間を不揃いにバランスしてボトルネックを自分でつくり制御する、とやって行きました。



以上、ザ・ゴールを読んでTOCに興味を持ち、自分の仕事に初めて適用して実験した記録でした。

初めてとは言っても初見はDBRだけで、あとは生産技術者にとっては珍しいものではないです。

DBRのところは既存のIE、ムダとり、などで言われる「効率化」と真っ向から対立している概念なので、「コストダウン」を目指している人にバレるとストップがかかってしまいます。
したがって、この部分だけナイショでやったぐらいでした。

1回エラい人に説明してみたことがあるのですが、話が平行線になりました。
エラい人も、もっとエラい人からコストダウンで評価されているのかも。
コスト管理法でやってたら、とんでもないお荷物プロジェクトになってたと思いますよ。

エラい人には、それが分からんのです。


ここまで読んで、けっこう傍若無人に(上司の言うことをスルーするなど)、自分勝手に振舞っているように見えたかも知れませんが、直前の傾きプロジェクト再興のときにこれくらい担当者が主導しないと上手く行かないと実感していましたので、これはわたしの生まれつきの性格ではなくて、仕事がわたしをそうさせたんだと思ってください。
説明しても説明しても、理解出来ない人っていうのはやっぱりいるのです。


2006年の12月末に退社するまでに引き継ぎ期間を6ヶ月くらい設けていたのですが、引き継げる人がなかなか選定されなかったので、そのまま退社してしまいました。

たぶん現在は工程時間が揃っていたり、IE的なカイゼン活動が行われているかもしれませんね。

頑張るわりには効果が出なかったり、生産量が少なければ仕掛り品が増えて投下資本利益率が下がるだけなので、人も資金もいっぱいある大企業なら気にならないかもしれませんね。




さて、これで「TOC」との出会い編はいったん終了して、次は当初の目的である「TOC思考プロセス」との出会い編に行きたいと思います。


思考プロセスはTOCの考え方のおおもとになっているものです。


TOCでフォーカスするボトルネックは物理的なものを表現することが多いですが、思考プロセスでは「制約」と呼び方を変えて物理的なものプラス方針などの考え方まで取り扱うようになります。


それはそれとして、Webで思考プロセスが使えるsekasukuは対立解消図のところがちょっとバージョンアップしました。
またプレスリリースを書いて紹介します。


つづく。
posted by yoshiaki at 06:00 | 愛知 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | sekasuku

2016年09月09日

TOC思考プロセスとの出会い編 (4) 平社員がTOCを会社で使ってみる件


前回までの記事はこちら。

・TOC思考プロセスとの出会い編 (1) http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/441682406.html
・TOC思考プロセスとの出会い編 (2) http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/441684191.html
・TOC思考プロセスとの出会い編 (3) http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/441701746.html


現在はまだ「TOC」との出会いを説明しています。
なんでsekasukuを作ったのか、という説明をしたいと思って書き始めたのですが、肝心の「TOC思考プロセス」との出会いに全然たどり着かない雰囲気になってきて困っている筆者です。
今後ともよろしくお願いいたします。


TOCによる全体最適は5つのステップで進める。

1.ボトルネックを「見つける」
2.ボトルネックを「徹底活用する」
3.ボトルネック "に"「周りの動きを合わせる」
4.ボトルネックを「強化する」、もしくは「よそへ振る」
5:惰性に注意して、再度ボトルネックを「見つける」

ボトルネック概念図.png




工場長ほどのマネジメント権限を持っていない平社員なので、できるところをやって、あとは「組織の三菱」が何とか頑張ってくれるだろうと期待して実行に移しました。

細かいことを考えていると、進みませんので。

基本的には頭のいい人達が揃ってる会社で、現在の状況をちゃんと把握できて先の見通しがあれば、それぞれのセクションがちゃんと良い動きをする会社です。

さすが大企業!


1.ボトルネックを「見つける」はカンタンです。


p06.gif


担当部品が流れている工場を見て、検査エリアや、敷地内の他の工場や、出荷エリア、たまに関係ないところも含めて敷地内をプラプラ歩きまわると、どこにボトルネックがあるか、すぐに分かります。

私が社員だったころ、いつもデスクに居なくてプラプラとお散歩してると思った人は多いかと思いますが、そういう理由です。

私の他にも何人か、お散歩クラブの人が居ましたね。
アメリカから来てるエンジンメーカーの駐在員さんとか、設計の人とか、同じようなコースでお散歩してました。

普段のボトルネックは、、、たぶん三菱重工の人は書かれたくないでしょうから、詳細は伏せておきましょう。


まだ試作が終わったばかりで量産を立ち上げる前の段階で、これから大量の作業量を突っ込むとボトルネックになりそうなところ、、、当時はよく分かりませんでした。

他のプロジェクトの部品も流れているところに、このプロジェクトの部品を突っ込むと、かなりたくさんの設備がリソースに対して1000%〜1600%くらいの稼働率になるんじゃない?という感じ。

ボトルネックどころじゃありませんわね。


とりあえずまだ良くわからないので、自分でボトルネックにしたい工程を仮決めしました。
当時はボトルネックは後ろ工程にあるほうが有利と思い、加工ではいちばん後ろの工程をボトルネックに仮設定。

そしてマネジメントの人たちや工程管理屋さんの人たちが管理しやすい(ボトルネックが見えやすい)ようにしておこうと、

工程数を減らして管理をシンプルにする。複雑さは工程の中に内包させる。

という工程設定にしました。

専用の生産ラインになっているわけではないので、工程間の仕掛り品はあっちの機械、こっちの機械、と持ち回らないといけなくて、工程数が多いとめんどくさいです。
工程数が多いと加工待ちの仕掛り品(バッファ)が増えてリードタイムが伸びます。
リードタイムが伸びると材料をいっぱい買っておかないといけません。

工程数が多いと考えないといけないことがいっぱいで工程管理屋さんのアタマがパンクするかも、ということで本来なら工程を分けたほうが品質が上がりそうだとしても、工程統合しました。

その分、それぞれの工程の中は技術的に少し難易度が上がります。

製品を治具から持ち上げる側に向けて削るとか変なことをやってみたり、加工中にビビりやすくなるので加工余肉を取っていく順番をハンマーで叩いて音響を調べながら決めたり、ひずみを出す場所を公差のゆるい場所に設定したりと、現場のオペレータさんに助けてもらいながら、たくさんの工夫をしました。

「なんでこんな難しいことやるの?」と加工するオペレータさんに聞かれたときは、「加工はちょっと難しいんですけど、工程数を減らしてシンプルにすると、急な残業とか休日出勤が減るんですよ」と説明しました。

「残業減ると、給料減るんだけどね」

「えー、まぁまぁまぁ」


結果、工程管理はとてもシンプルなものとなりました。
まあ、もともとそんなに言うほど難しいものではないんですけど。

あとはボトルネックがあっちの設備、こっちの設備、とフラフラ動かれると改善効果が散ってしまうため、一定の場所がボトルネックになるように調整しておきます。

「いつもここがボトルネックだね〜」というのは、実は良いサインです。


2.ボトルネックを「徹底活用する」は生産技術者が頑張る領域です。


p01.gif


いったんボトルネックを固定したら、そこだけを改善しまくります。
IE(インダストリアルエンジニアリング)でも、なんでも良いです。

加工スピードを上げます。(ただし最新技術は使わず、枯れた技術を使う)
夜勤をやってもらい、休憩時間も機械は加工を続けるようにします。
頻繁に様子を見に行きます。
オペレータさんに声かけして、このプロジェクトはこういう背景なんですよ〜とか、エンジンのここの部品なんですよ〜、と説明して面白がってもらいます。

そして他のボトルネックじゃないところは「はい、すぐに改善します」と言いながら、作業安全上の問題や品質上の問題ではない場合は牛歩戦術、もしくは他の担当者さんに振ってやってもらいます。



3.ボトルネック "に"「周りの動きを合わせる」は、生産技術とマネジメントが一緒にがんばって取り組む領域です。


「DBR(ドラム バッファ ロープ)」のところです。

image_DBR.gif



わたしの場合は平社員でマネジメントの権限が無いので、「生産技術の代表者」ヅラして他の課のちょっとエラい人にお願いをしました。

三菱重工のエラい人は、たぶん他の会社のエラい人よりも、だいぶゲンバ ゲンブツを知っています。

たまになんかの会議で、極めて技術的で核心を突く質問を発します。

その時になんか会議室に呼び出されるので、テクニカルなアドバイスをします。

エラい人は視野が広いせいか理解が早く、「それイイね」と言って、方針を良い方向に修正してくれることが多かったです。


生産技術的には、ボトルネックが「待ち」で時間を浪費しないように、ボトルネックの工程前に保護バッファ(仕掛り品)が溜まるように工程をバランスしておきます。
具体的には前工程より後工程のほうが加工時間が長くなるように調整しました。

ストップウォッチで時間を測ったりなどはせず、だいたいこんなもんでしょ、というどんぶり勘定です。

多品種少量生産はERPでもないと作業時間の山積みが難しいので、時間なんて測らずにバッファ(仕掛り品)を見ながら調整したほうが、大ざっぱでも良い判断ができると思います。


そしてボトルネック前の工程は特に余剰生産能力を持たせるため加工時間を短く設定しておき、「工程の時間をなるべく揃えろ」とIEで推奨されている方法はスルッと無視しました。


工程の時間を揃えろ、と誰かに言われた時は「いや、これはひずみを出す場所をここにすると、どうしてもこういう加工時間のバランスになっちゃって」とか「精度的にここを同一工程内で加工しないと品質が安定しないので」とか技術的っぽい理由でのらりくらりと誤魔化します。

しっかり本当の理由を説明すると抵抗に遭ってしまいますが、技術的っぽい理由だとわたし以外は工程変更するのはなかなか難しいので、手が出しにくかったと思います。


また、やはりボトルネックが「待ち」にならないように、消耗工具や副資材が不足しないように潤沢に備蓄し、つねにチェックしておきます。
「なんかよく御用聞きにくるね〜!」と現場の人に言われるくらいが丁度いいです。

ボトルネック工程、およびその後工程で不良品を出さないように、最大限に配慮します。
せっかく貴重なボトルネック工程を使って作った製品を後工程でオシャカにすると、再製作でまたボトルネックを使います。
これはぜひとも避けなければなりません。
とくに検査員が出荷前検査でアレしてオシャカにするとか、笑えないです。
ボトルネックの前の不良(材料不良とか)は出ても良いですが、不良品がボトルネックに入ってこないように注意します。

そして不良対策でもっとも配慮したことは、ヘンな図面を出図させないことです。

まず「こういう設計をするべからず」という「べからずリスト」を、開発図面が出図される前に日本側の設計と協力して作っておいて、アメリカ側の設計者の出鼻をくじいておきました。

作りにくい形状、部品の分割場所、寸法公差の入れ方、幾何公差の入れ方を開発試作の初期段階で徹底的にチェックし、エンジンの機能を満たしつつ、生産性を重視した図面にしてもらいます。

作りにくい形状の設計案が来た場合は「部品の形状に文句をつけたって、さすがに変更できないでしょ」と日本側の設計に言われていたものが、「こちらも自分たちの利益のために変更したいわけではなくて、プロジェクトを成功させたいので提案しています」と言葉を添えて改善案を示したら「了解、作り易くしますね」とアメリカ側の設計から返事が来て、かなり大きな設計変更提案が通ってしまったことがあります。
言ってみるもんだ〜。



次は、類似の部品がボトルネックを流れていたら、今回のプロジェクトに関係なくても、工程を組み直したり改善しておきます。

ボトルネックにチンタラしているやつが居ると、ツラいです。

他の担当者さんの部品がチンタラしている場合は、「シマダの部品のほうがやりやすくて、好きだな」と言ってもらって、遠回しに改善を促しておきます。


ココらへんまでやると生産量は相当に増えるのですが、10倍はまだぜんぜん無理ですね。



さて、どうなっていくのでしょうか。



つづく。
posted by yoshiaki at 06:00 | 愛知 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | sekasuku